「60億の涙」石野田奈津代セルフライナーノーツ

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アルバム「60億の涙」
地球上のすべての人(60億人)が、一斉に涙を一滴流し、それを集めたら・・・。
一瞬にして、なんと25mプールが5つ分も一杯になってしまうのだそうです。
そう考えると、もしかしたら、世界中のいたるところに、
涙のプールが点々としているかもしれません。
一粒の涙といっても、意味も重みも全く違うもの。
「あなたは、最近、涙を流しましたか?」
人には、それぞれの涙があります。
嬉し涙、喜びの涙、感動の涙、悔し涙、別れの涙・・・
涙は、人生を変えるキッカケ。
きっと、今まで流した涙は、あなたを変えるキッカケになったはず。
このアルバムを聴き終わったとき、
私の“うた”がアナタの人生を変える“涙”であってほしい・・・。
「春空 -ハルソラ-」
旅立ちの歌。

人との別れの時、悲しいとか離れたくないと思う気持ちは当然、

誰にでもある感情だと思います。

それでも、別れを悲しい気持ちで迎えるのではなく、

離れていくとしても、自分が前向きに、力強く生きていくことで、

今までそばにいてくれた人に、
感謝の気持ちを伝えられるのではないかと
私は思います。

「恋人」
ある日、私は思いました。
幸せそうなカップルを見て。
いつまでもラブラブなカップルと、
愛が冷めてしてしまうカップルの違いは何なんだろうと。
たぶん、そこには相手に対する思いやりが必要だと思います。
たとえば、夫婦なら当たり前になってしまいそうな、ご飯を作ってもらうこと、
洗濯をしてもらうこと、働いてお金を稼いでくれること。
そこに、一言「ありがとう」を言えるか言えないかで、
大きく違ってくると思います。
きっと自分の意識を変えれば、相手の良いところも、
好きになった部分も気づけるようになると思います。
そして、自分自身が変われば、
いつまでも愛は愛のままで、恋人でいられるのかもしれません。

「泣いて泣いて」
涙の中には、痛みを和らげる成分が含まれているといいます。
だから、泣いた後は、なんだか気持ちがすっきりする。
大切な何かを無くしたとき、涙が出るのは、それだけ大切だった証。
傷ついた心でも、涙を流した後はやっぱり笑顔になってほしい。
強く生きて欲しい。
そんな想いを込めて作りました。

「永遠」
昔、とても好きで、結婚したいと思っていた恋人がいました。
  15歳から16歳に変わる日。
  彼と私は出会った。
  渋谷の駅前でギターをかき鳴らし、歌っている人の中の一人だった。
  彼が弾いていたギターを、見よう見まねで覚えた。
  私にギターというものを授けてくれた人だった。
  付き合っていくうちに、どんどん彼の魅力に惹かれ、
  この人と絶対に結婚したいと思うようになった。
  そして、何度も結婚の約束をした。
しかし、彼とは終わりが待っていました。
数年後、突然私の目の前に現れた彼。
もうすっかり思い出に変わったと思っていたのに、
会った瞬間、当時の気持ちや思い出が呼び起こされる。
彼は結婚して、子供がいることもわかりました。
なぜかとても切ない気持ちになりました。
もうあの頃に戻ることはできないし、
実際、もう一度あの頃に戻れるとしても、もう遅いような。
友達でも恋人でもない、でも大切な人。
一度は人として、深くつきあった人。
いくつ年を重ねても、心の奥底で大事な人として想い続けたい。
彼と再会した、ほんの一瞬が永遠に思えた。
そして私は永遠に、彼のことを想い続けるだろう。
いくつになっても、別の人を愛していても。
一瞬は永遠のようであり、永遠は一瞬のようである。
人生の中には、どんなに時間が過ぎても忘れることのできない人や、
忘れられない過去があると思います。
忘れたつもりでいても、ふとした瞬間や、季節の匂い、音、風景、
突然の再会、何かがきっかけで気持ちが思い起こされることがある。
その時の心境をそのまま歌に込めました。
忘れられない人がいる人、大好きな人が結婚してしまった人、
思い出を消し去ることができなくて、出会ったことさえ後悔している人、
今もまだ切ない想いをして、前に進めなくなっている人に、この歌を贈ります。

「ひだまり」
東京での忙しい日々。
ある時、ふと恋しくなる故郷や家族。
帰りたい気持ちは山々だけど、今帰ったら気が抜けてしまいそう。
中途半端にしたくない。
心新たに、故郷・神津島から上京してきた15歳の頃の気持ちに似ていました。
新しい場所で、チャンスをいかすのだと。
仕事や進学で上京し、ホームシックになったり、
不安な気持ちになっている人への応援歌でもあります。

「自由」
22歳の時、すごく好きだったけど、うまくいかない恋をしていました。
毎日彼のことで悩んで、苦しくて、何も手につかない。
いっそ彼を忘れて自由になりたい、彼のいない場所に行こうと決め、
日本を離れたけれど、結局思い出すのは彼のことばかり。
どんなに遠く離れても、結局自分の気持ちには嘘はつけないし、
逃げ切れないと知りました。
人は何かを失って初めて、その大切さや重さに気づきます。
・・・一人で生きていけると思っていても、
それは誰かの支えがあるからできるからこと。

「春夏秋冬〜四季のうた〜」
私には絶対に死ぬわけないと思うくらい、元気な、じいちゃんがいました。
しかし、じいちゃんはある日突然亡くなりました。
人の一生は長く遠く、果てしなく続くように見える。
でも、案外短くて、一緒にいられる時間も冷静に数えてみるとほんのわずか。
残された時間を、今を、大事に生きよう、そう気づかせてくれたのが、
じいちゃんの死でした。
日本には四季があります。
私は四季を通じて、時の流れを感じます。
時が流れれば、やがて命は燃え尽きて、
ずっとそばにいると思っていた大切な人もいなくなり、
言葉を交わすことも、元気な顔を見ることもできなくなります。
人の一生は思っている以上に短いものかもしれません。
だからこそ残された時間を、今を、大事に生きていきたい。
会いたいと思う人がいれば、会いに行ってください。
この歌を聴いて、家族やそばにいる大切な人との時間を、
もっと大事にしようと思ってもらえたらうれしいです。

「波乱万丈」
2001年、1度目のメジャーという舞台が終わった時、
私は「波乱万丈(仮)」という歌を作った。
『私、捨てられちゃったけど、なんとか生きていきます!』
強がりのような叫びだった。
陰で私の契約終了を惨めだと思われるのだったら、
いっそ全てをさらけ出してしまおうと歌っていた。
そして、2008年。
人のせいにして、嘆いていても何も変わらない。
ダメな自分も認めて、とにかくやれることをやろう。
そんな活動がいつしか人の心に届くようになり、
メジャー復帰が決まりました。
がんばれば誰かが見ててくれる、そう確信したのです。
その今の気持ちを歌詞に書き加え、完成した歌。
私の人生を歌った歌。

「60億分の1」
「世界中の人と会おうとしたら、
 1秒間に1人ずつ会ったとしても、190年かかる。」
途方もなく、遠く、
190年という時間は、どんなにがんばっても生きられない。
考えてみたら、自分のすぐそばにいる友達や家族、恋人と出会えていることは、
奇跡のようなこと。
いくつものできごとや、偶然や必然が重なって、巡り会えた。
当たり前に思えていた出会いは、とても貴重なことなんだと思いました。
日常の中で、人と出会うことも、だんだん当たり前に思えてくる。
でも、そうじゃないってことを忘れたくない。
そう思って、この歌を書きました。それは2001年のこと。
それから月日は流れ、多くの人と出逢い、いろいろなことを感じ、
幾度も歌詞が書き直され、そして2009年の石野田奈津代の想いを込めた
「60億分の1」が出来ました。

「クッキー」
ある時、ファンの女性から手紙をもらいました。
その手紙の内容は、会社の同僚が自殺してしまったというものでした。
「どうして、気づけなかったんだろう。
 話を打ち明ける人がいれば、もしかしたらその人も、
 死なずにすんだのかもしれない」
と、綴られていました。
私はその手紙に、心を揺さぶられ、すぐに歌を書きました。
自殺してしまった人と同じように苦しんでいる人が、
生きることを選んでくれたら・・・と。
その手紙と一緒に添えられていたのが、クッキーでした。

「x」
生きていればきっと、誰にでも悩みがある。
それはどんなに毎日楽しそうにしている人にも、
幸福そうな人にも、成功している人にも。
表面に出していないだけかもしれない、
誰もが自分の居場所を探しながら、葛藤しながら生きている。
それは私も同じ。
わからないものを求めるとき、“x”という記号を用います。
それを表現したくて、xというタイトルを付けました。
やりたいことや目標を探し続けている全ての人へ。
「Say You Say 〜仲間とともに〜」
2008年9月。文化庁からの依頼で、
「再来年に廃校になる高校の生徒と一緒に歌を作ってほしい」ということで、
講師として山口県立熊毛南高等学校 上関分校を訪れました。
生徒の数は19人(3年生14名、2年生5名)。
生徒みんなの思い出の場所に、好きだった所に、みんなで行きました。
長島という島と上関を結ぶ橋や、展望台、通学路。
学校生活で好きだったこと、歌に込めたい想いをそれぞれ生徒に、
メモ書きとして残してもらいました。
その言葉を一人一人から少しずつ抜粋し、大事につなぎ合わせ、
私の想いも込めて完成したのが、この歌でした。
タイトルもみんなが意見を出し合い、決めました。
みんなの想いがこもった思い出の歌。
みんなの想いをたくさんの人に聴いてほしい、
そして、こういった想いを持つ人にこの歌を届けたい、と
アルバム最後に収録することにしました。

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