「はななり」の・・・

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7月にリリースした新しいシングルCD「はななり」。
「ダウンロード」とか、「着うた」とか、
CD屋さんに行かなくても、誰でも手軽に音源だけ入手できる時代になりました。
ちょっと気になった曲とか、その1曲だけがほしいときとか、
ipodに入れて聴くから、CD自体は聴かないから不要という時、便利ですよね。
形はどうであれ、自分の歌を聴いてくれる人がいるんだから、
それだけで、幸せなことだなと思うんです。
でもその片隅で、私は少しさみしい気持ちになっていました。
レコードの時代があって、カセットの時代があって、MDの時代もあった。
CDも、この先「なつかしいね〜」って、言われる日が来るのかな。
私は自分が作り手という立場もあるけれど、
音楽ファンの一人として、好きなアーティストのCDを買って聴いたりします。
ジャケットがあって、歌詞カードがあって、作品を作った人達の名前や場所があって、
盤があって、写真やイラストや文字や、デザインがある。
その歌をもっと伝えるための、あるいは表現するための、一つの作品としての形。
私は、それをじっくり読んだり、想像したりしながら、作り手の想いを受け取る。
そんな時間も含めて、CDを聴くのがすごく好きです。
だから、私はアーティストとして、歌や音にこだわるのはもちろん。
『CDで買ってくれた方が、手にしたときに喜んでもらえ、
 そして、ずっと持っていたくなるようなCDにしたい。』
まあ、そんなことも当たり前なんだけど、
なんかもっと出来ることがないのかな?と・・・
そこで今回は、デザイナーさんにお願いせず、
私と私のスタッフと二人で思うがままに作ろうということに。
デザインのテーマは・・・『シンプルに歌を伝える』。
写真や、イラストにすると、そこに大きく歌のイメージがついてしまう。
特にシングルはメイン1曲が勝負曲。その曲の想いをふくらませるためには・・・


辿り着いたのが、『文字』と『紙』と『+α』。


文字と一言でも言っても、世の中には、
本当にたくさんの文字(フォント)があることを知りました。
今まで、あまり気にしたことがなかったけど、注目してみると、
本当に個性的なものから、よく見る文字まで、様々。
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そんな中で出会った「まるみん」という書体。
文字通り、丸みのある美しい明朝体。丸明朝体。
どこかなつかしくって、それでいてやわらかい。
凛としていて、しなやかで、姿勢の美しい人のよう。
歌詞カードを読んでいると、すっとなんの抵抗もなく心に入ってくるような。
おもしろいことに、書体によって、まったく歌詞の意味が違ってとれる。
怒っているように見えたり、笑っているように見えたり、
そっけなく、無機質に見えるものもあれば、あったかいものも。
力強すぎてもだめ、かわいすぎてもだめ、主張しすぎてもだめ、
そこで、歌、歌詞を伝えるのにぴったりだったのが、この「まるみん」。
これだーーー!!
と、思い、さっそくこのフォントを購入。
(文字って売ってるんですよ!)
文字の持つチカラに、釘付けでした。
届いたフォントを見て、ますますイメージが湧きました。
実は、「はななり」のジャケットの文字デザインは、
この「まるみん」のデザインから来ているんです。
文字が円を描き、花束の様に重なって見える様が、「はななり」にぴったりと思い、
実際にデザインしてみると、まさに、ぴったり。
どうしてもこの文字の配置でジャケットを作りたいと思いました。
とはいえは、これは他の方のデザイン。
そこで、「まるみん」の書体設計をされ、デザインもされた
カタオカデザインワークスの【片岡朗】さんに、突然のお電話。
歌の歌詞やラフデザインを送り検討してもらった結果、
作品に使ってもらえるのであればと、快く使用許可を頂きました。
その後もお手紙などのやりとりは続き、
先日のプラネタリウムコンサートにまで足を運んでくださいました。
さらにさらに!
私が今、出会った人にお渡ししている『出逢い記念カード』の文字は、
こちらも片岡さんが作られた昨年完成したばかりの「丸丸gothic」という書体。
片岡さんはこの書体で、日本タイポグラフィ年鑑2010大賞を受賞されました。
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パッと見ただけでも、かなりかわいらしい印象を受けるけれど、
見れば見るほど、美しいバランスの取れた曲線の文字たち。
石野田奈津代という、角々ごつごつな、感じさえも、やわらかい雰囲気に。
画像は黒ですが色をつけるとまた印象がかわるんです。
文字を見て、こんなにずっと見ていられたり、うっとりしたことって、
生まれて初めてです。
これはあとで知ったことなんですが、
書体を作るということは、ひらがな、カタカナ、そうして膨大な漢字など、
数千、数万という数の文字を作るということで、
ひとつひとつ、新しい文字を設計していく、気の遠くなる作業。
普通は沢山の人が関わり書体を作ることが多いようなのですが、
片岡さんの書体は、すべての作業を片岡さんが手がけているそうです。
なんだか今回のジャケット作りにつながってる・・・
そんな想いが片岡さんに伝わってOKをもらえたのかな。
今、新聞や雑誌、舞台の広告など、いろんなところで、
片岡さんの文字と出会えます。
私は、片岡さんが生み出した文字を見るたび、うれしくて、微笑んでいます。
ひとつひとつの文字と向き合い、生み出した作品は、本当に美しい。
文字同様、片岡さんの生き方にとても惹かれました。
と、話は少し飛びましたが、戻りますっ。
紙は、インディーズの頃からこだわっていたのですが、
今回選んだ紙は、俳優の宇梶剛士さんがコンサートに来てくださった際、
プレゼントしてくれたデザイン本の中で見つけた、新作の紙資料がヒントになりました。
なんと紙にも新作っていうのが、あるんです!!
「はななり」のピンクの紙は、昨年冬に発売された新作なんです。
以前から行っている紙の見本帳屋さんに出かけ、実際に目で見て触って、確かめて、
古くからあるものや、新作の紙をチェックし、イメージの合うものを選びました。
「はななり」は「明るく上品で華やかなさま」のこと。
それにぴったりくる紙を選びました。
CDのクレジットを隅から隅まで読んでくれている方は、
もう知っていると思うんですが、
実は、ジャケットの端を縫っているミシンがけは、
全て、私の手で行いました。
「愛」がテーマになっている歌なので、
二人をつなぎ合わせる、赤い糸というのがコンセプトとしてあります。
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って、これは作り手のこだわりであって、
受け取る人には、それぞれの受け取り方があると思うのですが、
正直、ここまでこだわったものが作品としてできあがったことは、とてもうれしい。
一つの作品を生み出す過程で、新たな出会いがあり、新たな世界を知る。
自信を持って、手にとって、聴いてくださいっと言えるCDです。
「はななり」発売中ですっ!!!
歌はHPのトップにあるムービーでPVが見られます!!
手に取ってくれた人にだけ伝わるぬくもり、
画像やデジタルでは表現できないジャケット。
ジャケットを見ながら歌を楽しんでくださいっ♪


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