先生、南の島へ行く

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子供達と歌作り。
今年3校目は、奄美大島にある宇検村立名柄小中学校。
奄美大島は、鹿児島県の南にある大きな島。
沖縄よりも少しだけ北に位置します。
奄美大島の南部にある、宇検村は、
私の故郷・神津島とほぼ同じ人口2000人ほどの村。
入り江になった湾が長く続き、いくつかの集落があります。
南の島と聞くと平地なイメージがあるかも知れませんが、
ここは、深い森と山がつらなった手つかずの大自然が残る場所。
その集落の一つにある、名柄小中学校は、全校生徒合わせて10人の小さな学校。
学校の目の前は海!
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グラウンドから海が見えるって、なんかすがすがしい!うらやましい!
でも、野球とかしたら、海ぽちゃに悩まされそう。
学校の校庭には、畑も!
みんなで野菜を育てて、収穫し、給食でいただいているんだそう!
自分たちで育てた野菜は、すごくおいしいだろうなぁ♪
学校に入って、すぐ気になったのが・・・
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「トイレのかめさま」!?
「トイレの神様」に便乗した本まで出たのか〜!!
すごいなぁと思って最後のページを見たら、
2003年に初版・・・おわっ!こっちの方が先だった!
生徒達の第一印象は、ちょっと緊張していて、おとなしかったけど、
以前、宇検村の久志小中学校の生徒と作った「I LOVE 宇検村」を歌うと、
みんな、目をきらきらさせて聴いてくれました。
中には口ずさんでいる子も。
実は、この「I LOVE 宇検村」他の学校の生徒達も、保育園の子供達から、
おばあちゃん、おじいちゃんたちまで歌える程、親しまれている歌なんです。
なので、私、宇検村では、意外と人気者なんです。
「今度は、みんなで歌を作るよ!」と、名柄ならではの良さや、
みんなが感じていることをいろいろあげてもらいました。
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みんなからでた意見で、一番多かったのは、校庭にかかる大きな虹の話。
このあたりではよくスコールのような雨が降るらしく、虹がよく出るそうなんですが、
遠くじゃなくて、すぐ近くに架かる、大きな虹は迫力があるそう。見てみたい!
男子はみんな釣りに行っていたり、すもうの話ししかしない子もいたり、
すでに名柄ならではの意見だなと思いました。
今回は1人風邪で欠席していた生徒がいたのですが、
その子の想いも電話インタビューで、しっかり参加してもらいました。
普段、生活していて、当たり前にそこにあるものや、地域のことを考える機会って、
あまりないと思うので、これを機にここにしかないものの良さを、
発見してもらえていたらいいな。
みんなと一緒に食べた給食!
みんなが育てた芋が、大学イモに姿を変え、給食にも出た!おいしい!
お昼休みにみんなで卓球をしたり、音楽室で三線を披露してもらったり、
中学生がお兄ちゃんお姉ちゃん代わりになって、小学生たちと上手につきあっていて、
みんなが兄妹に見えました。少人数の学校のいいところ。
その日、みんなの想いを一つに、みんなが出してくれた歌詞をそのまま使ったり、
私なりに解釈して表現したりして歌詞をまとめ、
曲を付けて、翌日には歌が完成!
虹をテーマに、色が出て来る歌詞に仕上げたり、
校訓の「大きな夢を」をとり入れたり、
密かに名柄という地名をふくんだ「~ながら」が出て来るんです♪
これには、みんな「おお~!」と歓声をあげて喜んでいました。
歌を発表して、みんなで練習した時は、
生徒達は2回目くらいですでに大きな声で、しっかり歌えていました。
第一印象とは全然違う!やっぱり自分たちの思いがつまっているからなのか、
みんなの堂々とした姿には、ぐっときました。
自分たちの想いが形になり、中には感動して泣いている生徒もいました。
涙を流してくれる程、喜んでくれるなんて、
歌を作っていてこんなうれしいことはありません。
タイトルも、みんなで決めました。
名柄にしかない、新しい歌。
これから、みんなで歌い継いでいってほしいです。
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そして、今年4校目は、宇検村立阿室小中学校。
名柄小中学校の、さらに奥に行った入り江の出口付近にある学校。
目の前には、透き通るエメラルドの海!
海から吹く風が気持ちいい教室。
校庭にはヤッチャガ木とよばれる、ガジュマルの木。
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全校生徒は21名。
最近生徒の数が倍以上に増えて、サッカーもできるようになったそう。
そっか、人数が少ないとなかなかできない遊びもあるんだよね。
校庭には、なにやら田んぼの様なものが・・・。
なんと、全校生徒で田植えから稲刈りまでをして、
みんなでお餅にして食べるんだそう!
もちもちしてて、おいしいんだよ~!と生徒が教えてくれました。
いいなぁ~♪
他にも変わっているのが、なんとプールがない!!
名柄小中学校にもプールはなかったけど、授業の時は、
遠く離れた集落にあるプールまで、行っているそう。
だけど、阿室小中学校では、プール代わりに海に行っているっ!
海で水泳の授業かぁ!
魚を追いかけて泳いだら、記録とか伸びそうだよね!
私の故郷・神津島にはプールがあったから、
水泳の授業はプールでしてたけど、
毎年9月になると、海で1000m泳ぐ、遠泳大会というのをやってたなぁ。
9月は、クラゲがたくさん出てくるので、毎回ちくちくで痛かった!
だけど!みんなが泳いでいるプール代わりの大海原にて、
私も、今年初泳ぎ!気持ちよかったーーー!
やっぱり、1年に1回は海で泳がないと、調子出ない!
10月だけど、クラゲもいなかったし、全然泳げたよ!
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阿室の生徒たちは、元気いっぱい!
初対面から、いきなり「I LOVE 宇検村」を歌って聞かせてくれました!
すごい!みんな歌えるんだね!
こちらも、歌作りのテーマが、「阿室ならではの歌」ということで、
阿室ならではの自慢、いいところを、教えてもらいました。
前回の名柄小中学校も久志小中学校も、地域がほぼ一緒のため、
同じような歌詞が出てくるんじゃないかと心配したんですが、
地域が少し違ったり、子供達が違うとやはり、違う想いや景色が出て来るんですね。
同じ海でも、表現が違ったり、同じ夕日でも、海に映る太陽を見ている生徒もいれば、
夕焼け空を見ている生徒、さまざまでした。
一番驚いたのは「ハブが森を守ってくれる」という生徒の意見。
ハブは、毒を持っていて、みんなが恐れているものだけど、
だから、ハブを恐れて人は森に入らない=森が守られる。
その考え方、感性に感動しました。
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そしてみんなが出してくれた想いや言葉たちを持ち帰り、
夜なべして、完成したみんなの歌。
今回は、曲調や曲のテンポなど、曲作りの前にみんなにリクエストを受け付けたら、
初めてのオーダーがでました。
「明るくて、ノリノリの歌!」
ということで、生徒たちとの歌作りで初のノリノリの歌を作りました。
「寒いギャグを言う先生も」と
「かわいい後輩 かわいい先輩 面白い友達」は、みんなと一緒に考えた詞。
先生達は、ちょっと「え~!それが歌詞になっちゃうの!?」という雰囲気でしたが、
子供達の素直な感想、素直な目線が入った歌になりました。
歌詞に出て来る「どうか どうか」は、
「どうか、お願いします!」の「どうか」ではなく、
奄美大島の方言なんです。意味は、「ありがとう」。これも生徒から出て来た言葉。
奄美に伝わる独特の太鼓『チヂン』は、村に伝わるお祭りなどで使われるそうなんですが、
この『チヂン』をたたくパートも作り、さらに阿室ならではの歌が完成!
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歌もすぐに覚えて、みんな元気いっぱい歌ってくれました!
表情が本当に生き生きしています。
先生方も最後はなっとくして「阿室校のテーマソングにします!」と言ってくれました。
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今回感じたことは、歌っていいな、歌ってすごいなということ。
みんなで作った歌は、想いがそのまま形になり、歌い継がれていく。
その場限りで終わらないというか、ずっと残るというか。
行事があるたびに歌われたりして、続いていく。
それに感動する人がいたり、共感する人がいたり。
「I LOVE 宇検村」もそうですが、その時は、生徒達だけのものだったものが、
いろいろな人たちのものになっていった。
改めて、歌が持っているチカラを知ることができました。
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なんと!給食では鶏飯が出ました!
鶏飯(けいはん)は、奄美大島の郷土料理で親しまれているんですが、
まさか!給食でお会いできるとは!
もちろん、大満足のおいしさでした!
みんなとの歌作りのことを少しでも知って欲しいと思い、出演した、
あまみエフエム「ゆぶぃニング・アワー」夕方フレンド
DJの上野紋さん、実は、以前はFMとやまでDJをされていて、
私も番組でお話したり、ライブを見に来てくれたりしていた仲なんです。
だから奄美の地でお会いできるのは、なんだか不思議だったけど、
やっぱり、一緒にお話してて楽しい!
「いつも、石野田さんのラジオ聞いてますよ~」ってDJさんに言われるこの不思議な感覚。
でも、うれしいね。
初めて会ったときから、初めてな感じがしなかったくらい、
友達みたいに、素直に話せる上野さんが大好き~!
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今回、奄美で感じたのは、以前よりも増して、
私のことを知ってくれている方が増えたということ。
行く先々で、「なっちゃん~!おかえり~!」とか「ラジオいつも聞いてるよ!」
って、笑顔で手を振ってくれたり、子供達にサイン攻めにあったりすることもあって、
ちょっとびっくり。
こんなに知ってもらえるなんて、初めて来た時は想像もできなかったけど、
初めて来た時から、みんな家族みたいに接してくれた。
エフエムうけんチームも、教育委員会チームも。
いつ宇検村に来ても、「ただいま」って思う。
私の心のふるさとです。
そんな心のふるさとに、また明日から行ってきます!
今度は、「I LOVE 宇検村」を一緒に作った久志小中学校のみんなと歌作り。
初めての歌作りから、2年。成長したみんなから出てくる言葉が楽しみです。

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