仲間とともに☆最後の卒業式

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出会いから2年。
3月1日、春雨の降る中、
最後の卒業生5名が、それぞれの道へと旅立っていきました。
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出会いは2008年の秋。
文化庁からお話を頂き、山口県上関にある、熊毛南高等学校上関分校を訪れました。
たった2日間だけ、「言葉を考える体験事業」の講師になるために。
2010年には、閉校が決まっていたため、すでに募集は停止されていて、
生徒の数は、2年生、3年生合わせてたった19名。
この19名の生徒と一緒に、歌を作るという特別授業。
初対面の私に、素直に想いを表現できなかった生徒たちと、
それをうまく受け止められなかった新米講師の私が、一緒に歌を作るという作業は、
簡単なものではありませんでした。(ブログ参照☆)
できあがった歌「Say You Say 〜仲間とともに〜」は、
私にとっても思い出がいっぱいつまった歌です。
みんなの想いを伝えたくて、同じように卒業していく他の生徒達にも聴いてほしいと思い、
昨年リリースしたアルバム「60億の涙」に収録しました。
昨年は、当時3年生だった卒業生を送るため、卒業式に歌を届けに行き、(ブログ参照☆)
今の3年生が修学旅行で東京に訪れたときは、一緒に同行し、(ブログ参照☆)
交流を続けてきました。
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最後のホームルームの時間。
みんなが過ごした教室で、久しぶりの再会。
私の声の調子は、まだ万全とは言えませんでしたが、
どうしても、みんなと一緒に作った思い出の歌を届けたくて歌った、
「Say You Say 〜仲間とともに〜」。
ヘタクソでもいいから、気持ちを届けたかった。
みんな、泣いたり微笑んでくれたりしていました。
みんなとかかわった時間は、すごく短かったのに、涙がこぼれそうでした。
閉校になるから、修理する予算が出ないと言っていた、
雨漏りする体育館で、最後の卒業式・閉校式。
この日もバケツがいくつか並べられていたけど、
その風景すら、愛おしく思いました。
長年、愛されてきた場所。
人数が少ないため、一人一人に卒業式授与があるのですが、
生徒一人一人がリクエストした曲を、
先生がピアノ伴奏してくれる、あたたかい場面。
一般的な卒業式だったら、
在校生が卒業生にメッセージを贈る送辞の場面、
もう在校生はいないこの時、担任の先生が送辞を贈っていました。
生徒達との思い出や、生徒一人一人の良いところを語りかける姿には、
おきまりのような言葉は何一つなく、
心からの手紙を送っているようでした。
途中から先生も生徒も泣き出し、つられて一緒に涙しました。
涙が出るということは、それだけお互いを想う気持ちが強いということ。
こんなに、一人一人の生徒に対して正面から向き合って、
愛情を注いでくれる先生たちは、なかなかいない。
思い返してみれば、そもそも文化庁からの依頼ではなく、
閉校を迎える残り少ない生徒たちのために、何か思い出を残してやりたいという、
生徒想いな先生方からの依頼だったと、改めて思いました。
サプライズ好きな生徒たちから、先生達に内緒で用意した花束贈呈。
びっくりしながらも、喜び涙する先生方。
先生が生徒を大切に想い、
生徒が先生を大切に想う。
愛が溢れていました。
5人の卒業アルバムには、笑顔の写真でいっぱい。
5人だけの同級生。
生徒みんなが親友の様であり、
先生や学校全部が、家族のように感じました。
すごく強い絆で結ばれているんだと感じる、
感動しっぱなしの素晴らしい卒業式、そして閉校式でした。
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閉校式を手伝いに来ていた、昨年の卒業生とも再会。
たった1年しか経っていないのに、みんな大人っぽくなり、
スーツも似合ってるし、よく手伝っていました。
そんな成長を見るのもうれしく、先生という職業の素晴らしさを知りました。
62年の歴史に幕を閉じた、熊毛南高校上関分校。
学校がなくなってしまうのは、とても寂しいけれど、
ずっとずっと、心の中に生きていく。
生徒や先生方、上関分校にほんの少しでも関われたことを、自慢に思いました。
出会えてよかった。
翌日のFM山口の生ゲスト出演。
スタジオに入ると、なんと5人の卒業生からお花が届いていました。
昨日の感動さめやらぬまま、またうるうる。
まさか、私にもサプライズプレゼントを用意してくれているとは!
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しかも、生放送中に、卒業生からメッセージが!
そこには、ありがとうと、ごめんなさいの言葉。
卒業式の時、照れくさくて言えなかった「ありがとう」という気持ちが、
素直に綴られていて、すっかり泣かされてしまいました。
ちゃんと伝えてくれて、うれしかった。
ありさ、いくえ、えりか、みかな、たくみ、ありがとう!
ずっと取材などを通して、
上関分校の生徒達を見守ってくださったパーソナリティの新井道子さんも、
とてもうれしそうでした。
みんなの想いがこもったお花も、
大事にお家まで持って帰って来ました。
新たな進路へ旅立っていくみんなのように、いきいきと華やかに咲いています。
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「Say You Say 〜仲間とともに〜」
雨の日や曇りの日は
ちょっと憂うつになってた
忘れたい過去を思い出しながら
心の中を閉ざしていた
何度も何度も 来るのがイヤだった学校だけど
今では この風が気持ちいい
教室の窓から見える青い空
海を見るのが好きだった
バームクーヘンみたいで うまそうなグラウンドは
むしょうに走りたくなる 熱くなれる場所
笑いあえた 語りあえた
何気ない日々が
大切な思い出に いつか変わるだろう
照れくさくて 恥ずかしくて
いつも言えなかった
でも 素直に伝えるよ
ありがとう
春の日の登下校 坂道 満開の桜も
今度見る時は 最後になるんだね
帰り道 橋の上 風を感じ海を見ていた
いいことも悪いことも すべて意味がある
もうすぐ学校はなくなるけれど
先生や友達と出逢えたこと
ずっとずっと忘れないように みんなの言葉
この胸にぎゅっと抱いて 今うたうよ
笑いあえた 語りあえた
何気ない日々が
大切な思い出に いつか変わるだろう
うれしかった 楽しかった
仲間がいたから
一人で歩いていけるよ
ありがとう

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