亘理町の今
「伊達なわたり まるごとフェア」で、無料試食で配られていたいちご。
津波の被害を受けて、亘理町特産のいちごは、ほとんどダメになってしまった中、
たくさんの人の想いと、愛情を注がれて復活したいちご。
甘い甘い、希望の味。
試食には、毎回長蛇の列で、大人気でした!
亘理町と言えば、香川県の小学生と、
被災された人を想って一緒に作った歌を流してもらったりと、
お世話になっている、災害ラジオ「FMあおぞら」
この日は、会場となった亘理町の体育館の一角から生放送!
元気ないっぱいな会場で、お客さん達から元気をもらったので、
なんだかテンション高かった私。
先週に引き続き、また会えてうれしい!
FMあおぞらチームも、すっごいアットホームで、居心地がいいんだ。
ここは、津波の被害を直に受けた、荒浜。
ほとんどの家が、跡形もなくなってしまった場所。
その港のすぐそばで「鳥の海ふれあい市場」が仮設店舗で再開していました。
お店がやってるって、うれしいね。
安くて新鮮な地元のものがいっぱい!
うれしそうに仕事をしているお父さん。
イカのぽっぽ焼きを頼みました♪(お父さんの後ろで小さく見えるもの)
「はい、たったの500万円〜♪」
って、本当に楽しそうなお父さん。
イカもぷりぷりで肉厚で、めちゃくちゃおいしかった!
お父さんの笑顔ごと、ごちそうさま〜♪
じゃじゃじゃーーーん!
こちらが、亘理名物ほっきめし♪
ホッキ貝とご飯が炊き込まれています。
地元ボランティアでお世話になった、馬場さんのお友達の大坂さん宅にて。
秋は、鮭とイクラのはらこめしを馬場さん宅でごちそうになったんですが、
春は、ほっきめし♪
ということで、前回はらこめしをごちそうになった時、
「次は、家のほっきめし、食べにおいで」と、大坂さんに言っていただいていたので、
お願いしちゃいました♪
食べ物と愛情には飢えることのない、亘理町です。
炊きたてのほっきめし、あったかくて、やさしくて、たまらなくおいしかったー!
大坂さん夫妻と、馬場さん夫妻と、避難所のセンター長だったの鈴木さんと、
広島からボランティアに来ていた方と、みんなでわいわい、宴会じゃー!
ごちそうじゃー!
亘理町には、勝手に実家だと思っているお宅がいくつもあります。
この地で再会できることがいつもうれしい。
今回、避難所のセンター長だった鈴木さんにお願いして、
車でいろいろまわっていただきました。
何度も訪れている亘理町だけど、行っていなかった場所。
私たちが災害ボランティアで、お手伝いさせてもらったお家の方は、お宅は、
今、どうしているのか、どうなっているのか、ずっと気になっていました。
うっすらとした記憶をたよりに、お家を目指す。
当時がれきの山と化していた道路から、いろんなものが消え、
目印だった建物もなくなり、変わりすぎている風景に、
なかなか、お家を見つけることができない。
やっとでたどり着いたお宅のひとつは、少しずつ片付けが進んでいるようで、
なくなっていた窓が新しく取り付けられていたり、
部屋の中にきれいになった家具があったり、生活感もあった。
まだ、そこには住めていないようで、会えなかったけど、
それでも、少しでもお手伝いできてよかったって、うれしくなった。
でも、一見いらっしゃるかも!と思って行ってみると、
荒れ果てた庭に、人が住んでいる形跡のない部屋の奥が見えたり・・・
去年の4月、私が一番最初にお手伝いをさせていただいたお宅に咲いていた梅の花。
津波にも負けずに咲いていた、希望の花。
あのお家。
休憩の時、親切にお茶とお菓子を出してもてなしてくれた、やさしく接してくれたお家の方。
みんなでお茶をいただいた、あの立派だったお家は、跡形もなくなっていて、
海から吹き付ける風が、ただただ私の体に冷たく吹き付けた。
お母さんが、大事にしていた庭の梅の木は、どこにもなかった。
今年も咲いて、お母さんを喜ばせてくれるといいなって、勝手に想像していた私。
これが、現実・・・。
見たくなかった、現実。
ものすごく切なくて、言葉にならなかった。
でも、あの梅は、どこかに植え替えたのかもしれないとか、
お母さんは、どこかで違う梅の花を見て、笑顔になるはずだとか、
私の中のこうであってほしいという気持ちは消えなかった。
あのときの梅はもうなかったけど、
私は確かにあのとき、お母さんと一緒に希望の梅の花を見た。
お母さんの笑顔を見た。
現実と理想は違うのかもしれないけど、
誰かの幸せを願うことは、希望になっていくんじゃないかと思った。