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06月07日
東北縦断三人旅〜宮城県亘理町→福島県南相馬市〜

6月5日。
亘理町へ向かう高速道路の途中も、至る所で津波の爪痕が。
田んぼには、未だに大きな松の大木や瓦礫の山。
本当にものすごく広い範囲で津波の被害があったことがわかる。

時間よりも少し早めに現地に到着したので、
私がお世話になっていた亘理町災害ボランティアセンターへ。
一時不足していた、ボランティアさん用の水もたくさんあって、一安心。
暑くなってきて、ボランティアの作業もたくさん汗をかきます。
熱中症対策として、水分が余分にあると、すごくありがたいんです。
気になるボランティアさんの人数は、200人ぐらい・・・
まだまだ人手が必要だなと感じました。

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この日の最初のライブ会場は、
宮城県亘理町にある「フレスコキクチ亘理店」の駐車場 。
4月、そして5月に2週間ボランティア活動をしていた亘理町。
「フレスコキクチ亘理店」では、ボランティアの際、
朝ご飯やお昼ご飯を買ったりと、お世話になっていました。
会場には、ものすごいたくさんの人!!!
ボランティア仲間や、児童センターのみなさんや、亘理でお世話になった方、
公園で出会った81歳と91歳のおばあちゃんたちと、知っている方もたくさん!
あちこちで手を振ってくれていました。
人があったかくて、大好きになった町で、
大好きな人たちに囲まれて歌を聴いてもらえる幸せ。
本当に、ただいま〜〜〜!って感じだった。
涙を流している人を見て、少し苦しくなったけど、どうか、そのまま泣いてください、
胸の中にため込んでいる想いを素直にだしてほしいと思った。

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私は、歌を歌うとき、必ずお客さん一人一人の顔を見ながら歌う。
「人と話をするときは、相手の目を見ながら話す」というのと同じで、
そうすることで、もっと歌が伝わるんじゃないかなって思うから。
歌いながら目が合うと、笑顔になったり、一緒に口ずさんでくれたり、
初めてのお客さんでもじーーっと聞いてくれていたり、そんなお客さんを見て、笑顔になる。
たぶん、私、ずっと笑顔だったと思う。

しかも、1曲目が終わっていきなりお世話になった方から花束をもらった!
みんなが喜んでくれているのがわかったし、ホントに自分のふるさとに思えた。

熱い日差しの中でも、ずーーといてくれるお客さん。
山寺さんはどこに行っても大人気で、
特に若い子達や、子供達はメロメロでした!
山寺さんが担当しているアニメや映画の吹き替えのキャラを、
スケッチブックに貼り付けて、声を出していくんだけど、
「似てるーーー!」と子供達。似てるんじゃなくて、本物だよ(笑)
確かに、どこから声出してるんだろう!?って思うような声もあるけど、
子供達の夢中な顔、まん丸な目、わ〜〜〜〜!って叫ぶ声が、
みんなをさらに元気にしていた。
ものまねも歌も、ものすごくお客さんを魅了するチカラがあって、
私も目の前で一緒に楽しませてもらいました。
すごい!とか、楽しいって思わせられるって、すごいことだよね。

ライブ終了後、サイン会は1時間近くさせてもらって、お客さんもずいぶん待ってくれた。
次の会場に向かわなくちゃいけなかったけど、できるだけ多くの人に!と、
時間ぎりぎりまでサインさせてもらいました。
また、必ず行くよ、亘理のみんな!

「フレスコキクチ亘理店」のみなさんと♪
こんなにたくさん、従業員の方もお店開けっ放しにしちゃって、大丈夫かな??
と思いつつ、働くみなさんも楽しんでいただけて何よりでした!

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次に向かったのは、
福島県南相馬市にある、「フレスコキクチ東原町店」

亘理から南相馬市に向かう途中も、多くの津波の被害がみられた。
途中、車窓から見えたのは、山元町にある、常磐線の駅。
駅の階段らしきものがぽつんと見えるだけで、家も何も残っていなかった。
津波の破壊力のすごさと惨さを、ただただ見つめるしかない。

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会場の「フレスコキクチ東原町店」のすぐそばには、駅でもないのに電車が止まっていた。
このあたりでは、現在運行が休止になっている常磐線の車両。
地震があってから、ずっとそのまま停車しているんだそう。

「フレスコキクチ東原町店」は、
現在営業しているスーパーの中で最も福島第一原発に近いスーパー。
原発から23㎞。そんな原発に近い場所でライブをしても大丈夫なのか?
私たちはよくても、そのライブを見るためにお客さんに来てもらうのは大丈夫なのか。
私たちもたくさん考えた。
浴びなくてもいい放射線は、浴びずにいた方がいい。
その時はみんな喜んでくれても、そこへ出かけて行ったがために、
後々体に変化が起こって、後悔させるわけにはいかないと。
そう思ってお店の方や、現地に住んでいる方といろいろ相談したら、
同じ30㎞圏内でも、場所や地形によって、数値が異なるということ。
お店の外で放射線測定器ガイガーカウンターが示していた数値は、0.5マイクロシーベルト。
もちろん、東京よりはほんの少し高い数値だけど、
南相馬市と言っても、ここはそんなに数値が高い場所ではないということ。
ただ、南相馬市というだけで、受けている風評被害も大きいという。

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雨の予報もあったため、少しでも安心できる場所で見てほしいから、
当初ライブが予定されていた駐車場から、店内で開催することに。
それでも、外出を控えている方も多いのかな?お客さんは来てくれるのかな?
そんなこと、みんなで思っていたけど、
1人でも、5人でも、ステージを見たいと来てくれるお客さんがいるのなら、
楽しんでもらいたい、精一杯のステージを!と気合いを入れた。

ステージにたどり着いたら、店内の一角を埋め尽くす、たくさんのお客さん!

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避難所には、芸能人や有名人が来るけど、
福島には原発問題もあって、なかなか人も来ない、
まして、そこで暮らしている人たちには届けられることがなかった歌やパフォーマンス。
皆さん、本当にものすごくじっと聴いてくれていました。

10年くらい前、シンガーソングライターの人たちと全国を回るツアーがあって、
よく、さかもっちゃんが好きと言ってくれた「温度」を一緒に歌っていました。
今回の旅、どの会場でもさかもっちゃんと一緒に歌った「温度」。
二人で歌う「温度」は、楽しい。ハーモニーがきれいでわくわくする。

さかもっちゃんが最後に歌った生歌・生ギターの「天使達の歌」は、
すごく胸に響いた。
被災地へ向かう時、ipodでもよく聴いているんだけど、
本当に、今、このときのために作ったんじゃないかと思うほど、心に響く。
お客さんたちも、一声一音も聞き逃すまいと、静かに歌に向き合っているみたいだった。

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3人のステージの最後は、山寺さんとさかもっちゃんと私で「ふるさと」を合唱。
「ふるさと」の歌詞をわかりやすく解説した詩を山寺さんが朗読して始まる。
おばあちゃんも子供達もみんなで一緒に歌った「ふるさと」は、
今、被災した人たちの心の歌だと思いました。
今回、どの会場でも歌ったけど、
どこで歌っても、早くふるさとを返してあげてほしい、
元のふるさとにしたい、という願いがこみ上げたし、
みんながそう願っているのを強く感じました。

「フレスコキクチ東原町店」の皆さんと♪
サインをうれしそうに求める姿は、お客さんよりもはしゃいで見えた。

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この日、どちらの会場でも、
山寺さんがCMソングを歌っている三ツ矢サイダーを、プレゼント。
二つの会場合せて、700本近く三ツ矢サイダーをプレゼントした・・・ということは、
700人近くもの人が来てくれたってこと。本当にびっくりするくらい人が来てくれた!
たくさんの人と、笑顔に出会えた旅。

南相馬では、特に女性や子供たちはマスクをしていました。
花粉や風邪が流行する季節でもないのに、
息苦しいマスクを付けて外出しなくてはいけないなんて、嫌だよね。
外で、思い切り遊べないなんて、悲しい。

サイン会の時、女性二人組に、きかれた。
「ここへ来るの、恐くなかったですか?」
その質問に胸が痛んだ。
自分たちが住んでいる町に人が来ることを心配するなんて、
とっても悲しいことだと思った。
「そこで暮らしている人たちがいるんだから、怖くないですよ」
と答えたけど、きっと、そこでずっと暮らしている人たちは、
いろんな気持ちと葛藤しているんだと思う。
早く、そんな想いをしなくていいようにしてあげたいと思っても、
災害ボランティアの様に、何かお手伝いができるわけでもない。
「すごくきれいな歌声でした」
「来てくれて、ありがとうございます」
そう言ってくれた人たちの笑顔が忘れられない。
歌を届けることで、喜んでくれる人がいるなら、できる限り、届けていきたい。

お客さんのことを一番に考えたり、一人一人に声をかけて、
一緒に悲しんだり喜ばせたりする山寺さんと、
ライブもでずっぱり、長距離車の運転も、全部引き受けてくれたさかもっちゃんと、
現地に呼んでくれた人や、スタッフさんたちと、
一緒に回れたこと、本当にありがたかった。
みんなからも、いっぱい笑顔をもらった。
ありがとう、みんな。
これからも、できる限りのことしていくよ!

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